
ドキドキ!プリキュア・第41話『ありすの夢!花がつないだともだち』感想
花の手入れをしながら、幼い頃の夢を語ったありす。
しかし、今は父の跡を継ぐ事になっているので、その夢は叶える事が出来ません。
何とかその夢を少しでも叶えさせてあげたい。
そう考えたマナ達は、フリーマーケットで花屋を開く事を提案しました。
一日だけでも夢が叶い、喜ぶありす。
しかし、幼馴染の五星麗奈も花屋を開店。
高価な花々を安価で売る麗奈の店舗に客が集まり、ありすの店には中々来客がありませんでした。
それでも、ありすは上機嫌。そして、一人の来客の後に、レジーナが。
「自分より美しいモノは要らない。」と言い放ち、ジコチューを召喚しました。
今度のジコチューの発生場所は、何と成層圏。
「一つだけ方法があります。」と決意を秘めて語ったありすは、一人でレジーナの許に向かいました。
レジーナの優しさを取り戻す為に、説得を試みるありす。しかし、耳を貸さないレジーナ。
それでもありすは、レジーナを信じ、自分の気持ちを伝え続けました。
ありすがレジーナに贈った、真心。
果たして、レジーナの胸に届いたのでしょうか?
※前回の感想で書き忘れたので、まずは少しだけ。
「わたくしのエースショットでも、レジーナを浄化出来なかったのです!」
『だからレジーナには、心が無い』と、40話の冒頭で亜久里は語りました。
ただ、この言葉には一つ、大きな穴がありました。
確かに当時のキュアエースは、キュアハート達よりも遥かに強かった。
しかし当然ながら、数々の試練を潜り抜けた『今のキュアエース』には到底及びません。
つまり、『キングジコチューがレジーナに注いだジャネジーが余りにも膨大で、当時のキュアエースの力では浄化し切れなかった』と言う事になります。
レジーナに注ぎ込まれた膨大な量のジャネジーを消し去るには、『それ相応の愛情』が必要なのでしょう。
真琴の歌により、心を揺さぶられたレジーナ。
愛を受け入れる下地は、出来つつあります。
人の表面上の態度に惑わされず、その人の本質を見抜くありす。
ありすの心は果たして、レジーナに届くでしょうか?
では、本編の感想に戻ります――。
「うわぁ!綺麗~!!」
ありすの育てる花々を見て、感動するマナ達。
学校でもずっと園芸部に所属しているありすの幼い頃の夢は、お花屋さん。
「今は?」と問う亜久里に、ありすは一瞬だけ寂しげな表情をした後、笑顔で答えました。
「お父様のお仕事を継ぐ事になってますので、その夢は叶えられなくなりました。」
「そっか…。」六花と顔を見合わせるマナ。その瞬間、名案を思い付きました。
「じゃあ、だったら!その夢を、叶えてあげるよ!!」
マナの名案は、フリーマーケットでお花屋さんを開店する事。
仲間達の手作りの店舗を見て、ありすは感動しました。
「幼い頃からの夢が叶って、とっても嬉しいですわ!」
「しっかりね、店長さん!」「はいっ!」
マナに店長に任命され、ありすは本当に嬉しそうです。
店舗の隙間では、「ランスも店長でランス~!」と、ランスが店長に立候補。
しかし、店長が何をするのか知らないと答えるランスに、シャルル達は不安で一杯になりました。
「コスモスにゼラニウムに、シクラメン。もっと華やかな花も、揃えた方が良いんじゃないですか?」
「私は好きですわ。季節の花には、その季節に合った美しさがありますもの。」
品揃えの少なさを心配する亜久里に、季節の花の美しさを笑顔で説くありす。
お花屋さんが出来る事の嬉しさと、花自体が好きだと言う事が窺えます。
その瞬間、会場に聞き覚えのある高笑いが響き渡り、麗奈と取り巻きお嬢様3人衆が登場しました。
「何処のお猿さんが迷い込んだと思ったら、ありすさんのお友達でしたのね?」「出た…!」
麗奈の嫌味を聴いて、明らかに嫌な顔をする六花。眉を顰めるマナ。苦笑する真琴。
真琴があからさまに嫌な顔をしていないのはきっと、芸能界に身を置いているからなのだと思います。
『ああ。こんな人、芸能界に居るなぁ…。』みたいな感じで、麗奈を眺めているのではないでしょうか?
「どなたですの?」「ああっ~!」
ひょっこりと顔を出す亜久里に、『地雷を踏んだ~!』と言う感じの表情をする六花。
亜久里の質問に、麗奈は自信満々に自己紹介をしました。
「四葉財閥より数字が一つ多い、五星財閥の一輪のバラ・五星麗奈よ!」
「麗奈さんも、フリーマーケットに参加するのですか?」
まるで、何処かのプリキュアの様な自己紹介をする麗奈に、微笑んで挨拶するありす。
「当然よ!あなたが花屋で人気取りをするのなら、それを叩き潰すのが五星麗奈の役目!」
「この私が、超巨大ビニールハウスで育てた、豪華絢爛たる四季折々の花々で、あなたに勝負を挑むわ!」
取り巻き3人衆を従え、ありすに勝負を挑んだ麗奈。
麗奈が用意した店舗『麗奈の超★高級花セレブ』には、四季折々の高価な花々が陳列されていました。
「嬉しいですわ!麗奈さんと一緒にお花屋さんが出来るなんて!」
麗奈と一緒にお花屋さんが出来る事が、心底嬉しそうなありす。
こうして、ありすとれいなの『お花屋さん勝負』が始まりました。
ライバル心を剥き出しにする麗奈。
一方、お花屋さんが出来る事を心から喜ぶありす。
ありすの笑顔を見ていると、何となくですが、この『勝負』は売り上げの如何に拘らず、麗奈の独り相撲に終わりそうな気がしました。
「お花はどうですか~?」「見て行って下さ~い!」
『ありすのお花屋さん』が開店直後、早速来客が。
彼女の誕生日に花を贈りたいと言う男性の為に、ゼラニウムの鉢植えを勧めるありす。
男性が鉢植えを買おうとした瞬間、麗奈の横槍が。
「恋人に贈るなら、真っ赤なバラが一番ですわ!」と、市価の30分の1で、超高級なバラを提供。
男性は、ありすから花を買うのを止め、麗奈の店に行ってしまいました。
※ゼラニウムの花言葉は色によって違いますが、『君が居て幸せ』など、愛情を示すものが多いそうです。
ありすは、男性の意に沿う花を選んでいました。
「またお越しください。」 去って行く男性を、笑顔で見送るありす。
何となくですが、ありすの対応は、商売上はとても正しい気がしました。
たとえ結果的に『冷やかし』に終わっても、またの機会があると信じて対応してくれる。
個人的には、そんな店で買い物をしたいです。
「あんな高価な花を、激安で売るなんて!」「そうよ!ズルい!」「やり口が卑怯ですわ!」
麗奈のやり口を批判する、六花・真琴・亜久里。
六花がマナの肩に、真琴が六花の肩に手を乗せているのは、何の意図があるのでしょうか?
怒っている3人の中で、個人的に一番可愛く思えたのは、頬を膨らませている真琴です。
ファンの間では、この真琴の表情は『ぷくぴ~』と呼ぶそうです。
「流石、麗奈さんです。いつ見ても、本当に綺麗な花達ですね。」
麗奈の愛情を注がれた花束を見て、心の底から感心するありす。
ありすが悔しがらないのを不思議に思いつつ、「もっとお褒め!」と、上機嫌の麗奈。
※ありすはきっと、丹精込めて育てられた麗奈の花々を見て、彼女の優しさを感じ取ったのだと思います。
麗奈が決して安くはない花々を安価で販売しているのは、ありすへの対抗心もあるのかも知れませんが、その奥底には、『自分の育てた花を、一人でも多くの人に見て欲しい』と言う願いがあるのではないでしょうか?
ありすの笑顔は、麗奈の表面上の意地悪さの奥底にある優しをを見抜いている証なのだと思います。
そして、約2時間後。
正午を過ぎても盛況の麗奈の店舗に比べ、ありすの店舗は閑古鳥が鳴いていました。
落ち込む亜久里と真琴を励ます、マナ。
その直後、疲れ果てたサラリーマン風の男性が、ありすの店を通り掛かりました。
「花ねぇ…。」ありすに花を勧められても、気乗りしなかった男性。
しかし、ありすの笑顔から、花を心から愛する気持ちを感じ取った男性は、「ちょっと、見てみようかな?」と、花を買う事を検討しました。
「ほお~。」一つの鉢植えを手にし、感心する男性。
「コスモスです。私この花を見ると、心がふんわり~ってなります。」
「うん。じゃあ、これをお願いしようかな?」
「何だか、元気が出て来たよ。有難う!」
ありすから鉢植えを受け取った男性は、明るい表情で店を後にしました。
「やったね!」「ありう、何か本物のお花屋さんっぽかったよ!」
「ホントですか!嬉しいですわ!」
マナと六花に褒められ、笑みを溢すありす。
「お花屋さんって、花と一緒に会いも届けているのかもね?」
「私も、レジーナにそんな花を贈りたいな!」
「花なんて、要らな~い!」
真琴が花の素晴らしさを語り、マナがレジーナの事を考えた瞬間、レジーナが登場しました。
「でも、花を見ると元気にならない?」
「言ったでしょ?許せないのよ!私より美しいモノは全てね!!」
自分以外の美しいモノの存在を全否定する、レジーナ。
※マナ達と初めて会った時のレジーナも、同じ事を言っています。
これは、レジーナがマナ達と過ごした日々を覚えている証拠です。
しかし、マナ達と過ごして育んだ友情と愛情が、キングジコチューののジャネジーによって、憎悪に書き換えられている様です。
今のレジーナにとって、マナ達との楽しい日々は、『裏切られた日々』として映っているのかも知れません。
その頃、公園の階段の踊り場からフリーマーケット会場を眺めていた少年が。
少年の視点から、ありすの店舗も立地条件が良いのに、角地に一際目立つ麗奈の店舗が、ありすの客を奪う形になっている事が明らかになりました。
「あんな花、枯れちゃえばいいのに…。」
ラジコン飛行機を飛ばそうとした少年は、ラジコン飛行機が飛ばせない事を嘆き、呟きました。
「でも、母の日に花を上げたら、お袋…喜んでたよな。」
「花なんか全部、枯らしちゃえ!」少年が思い直した瞬間、レジーナの囁きが。
少年はプシュケーを無理やり黒く染められ、ジコチューにされてしまいました。
その瞬間、ありすと麗奈の店舗の花や、周囲の花が一斉に枯れ始めました。
彼女に捧げる為に男性がで買った、高価なバラが。
サラリーマンの心を癒した、コスモスが。
周期の木々も花畑も枯れ果て、一斉に嘆き悲しむ人々。
「もしかして、ジコチューが!」「でも、闇の鼓動が聞こえないシャル!」
原因を追及するマナとシャルル。
その頃ありすは、枯れ果てた鉢植えの中から一つだけ残った双葉を見付け、笑顔を見せました。
「うわあぁ…。私の大切な花達が…。」
枯れ果てた花々の前に座り込み、悲しみに暮れる麗奈。
その嘆きに気付き、麗奈の近くに駆け寄るありす。
周囲を見渡したありすは、バラの鉢植えに一つだけ残っていた双葉を見付け、麗奈に知らせました。
ありすに勧められ、麗奈はありすと一緒に、花を救う応急処置を施しました。
「後は、再生するのを信じて待つだけです!」
「ええ…。でも、何でなの?いつも意地悪ばかりする私に、何で!?」
「この応急処置の仕方は、麗奈さんが教えてくれた事ですわ。」
「それに私は、麗奈さんが花にたっぷりの愛情を注いでいる事を知っています。初めて出会ったその時から!」
麗奈の質問に、ありすは親しみを込めた笑顔で答えました。
「綺麗なバラですわね!」
鉢植えを持ち、『五星ローズガーデン』に入園するありす。
其処には、バラの手入れをしている麗奈が。
これが、2人の初めての出会いでした。
「私の次にね。」「花が好きなのですか?」
「花は、私を美しく飾ってくれる。だから、大切に育てているのよ。オ~ホッホホ~!」
こんな事を言っていますが、これは麗奈の照れ隠しの様なモノで、本当に花が好きなのでしょう。
きっと、ローズガーデンの花々も、麗奈が一人で手入れしているのだと思います。
「あの…。」「どうかしたの?」「私のガザニアが…。」
「駄目じゃない!このままじゃ、枯れちゃうわよ!」「でも、どうしたら良いか解らなくて…。」
「ったく!これだから素人は困るわ!私が応急処置の仕方を教えてあげるから、良~くお聞きなさい!」
この瞬間、ありすはきっと、麗奈の優しさに気付いたのでしょう。
「あの時から、麗奈さんは私の、大切なお友達ですわ!」
「お友達?」「はい!」
ありすの微笑みを見詰めながら、麗奈は自分の本心と向き合いました。
そして――。
「な、何を、馬鹿な事を…!」
今迄ありすと友達になりたくて、わざと意地悪をして気を惹こうとしていた。
でも、ありすは既に、自分を友達と思ってくれていた――。
ありすに嬉し涙を見られるのが恥ずかしく、背中を向ける麗奈。
その様子を、微笑んで見守るありす。その後ろのマナ達も、優しそうな表情を湛えています。
「何で、泣いてるケル?」「涙はね、嬉しい時にも出るんだよ。」
まだ子供のラケルに、人の機微を教える六花。
2年前に悲しみの結晶・ノイズに向かって、『音楽のプリキュア』が届けたこの言葉。
今回の話で聞けて、少し懐かしい気持ちになりました。
「お嬢様、花が枯れてしまう理由が解りました。」
四葉の人工衛星が捉えました――と、タブレット端末に現場の様子を映し出すセバスチャン。
其処に映っていたのは、成層圏上に浮かんでいる『枯れ木ジコチュー』。
公園の木々が枯れ果てた原因が、このジコチューの能力である事が判明しました。
「レジーナ!」「遠過ぎて、ジコチューの闇の鼓動も届かなかったシャルか!?」
「急いで止めに行かないと!」「でも、成層圏なんて、どうやって??」
「一つだけ、手があります!」
ジコチューとレジーナが成層圏に居る事が判明したものの、其処まで辿り着く術を持たずに戸惑うマナ達。
ありすはマナ達に、一つだけある方法を提示しました。
「麗奈さんの花も、必ず元に戻して来ますわ!」「ありす…!」
励ますありすの言葉を、心配そうな表情で聞く麗奈。
ありすの屋敷の庭から、ジェット戦闘機(?)の発射台が。
ジャケットに身を包み、一人乗りのジェット機に乗るありす。
『コンディション、ノーマル!システム、オールグリーン!』
管制室のセバスチャンに、合図を送るありす。
「ありすって、飛行機の操縦も出来るんだ!」「ありす!何とかして。私達も行けないの!?」
「――この飛行機は、一人乗りなんです。」
ありすの身を案じるマナ達に、さり気無く『死亡フラグ』っぽい事を言うありす。
「行きます!」と、飛行機を発射させたありす。
その姿を、まるでヒロインの様に見送る麗奈。
※『この飛行機は、一人乗りなんです』と言ったありす。
しかし、四葉財閥の技術力と財力を以ってすれば、全員が乗れる飛行機を用意出来た筈です。
恐らく、成層圏と言う危険地帯に、訓練を積んでいないマナ達を連れて行く事の危険性を考慮して、敢えて一人乗りの飛行機を用意したのだと思います。
「オートパイロット、オン!ランスちゃん、行きますわよ!!」
成層圏に到着し、ジコチューとレジーナを発見したありす。
飛行機のハッチを開けて脱出装置を使い、成層圏でプリキュアに変身しました。
成層圏で生身の人間が呼吸出来るかは、この際考えない方が良いと思いました。
何故なら、ありすは『プリキュア』だからです!
「何だ…。来たのは『黄色いの』か。」
「レジーナさん!花を枯らすのは、止めて下さい!」
マナ以外は名前を覚えていないのか?
それとも、覚える気が無いのか?
キュアロゼッタ(ありす)の事を、『黄色いの』呼ばわりするレジーナ。
レジーナを説得しようとするキュアロゼッタに『アカンベ』をし、話し合いを拒否しました。
「や~だよ。人間って、花を見ると元気になるんでしょ?」「何故だと思いますか?」
キュアロゼッタの問いを、「そんなの知らないわよ!」と突っぱねるレジーナ。
そんなレジーナに対し、キュアロゼッタはコスモスの二葉が芽吹く鉢植えを見せ、熱く説きました。
「其処に命があるからです!花は枯れ果て、残ったのは小さな葉っぱだけです!でも、それでも必死に生きようとしています。」
「その姿は、花と同じ位、美しいと思いませんか!?」
「レジーナさんの中には、美しいモノを素直に『美しい』と感じる心がある筈です!私は、そう信じています!」
レジーナの心に眠る優しさを信じ、キュアロゼッタはレジーナに向かって鉢植えを掲げました。※マナ達と麗奈の花畑で、初めて出会ったレジーナ。
その際彼女は、『私よりも美しいモノを許さない』と言って、バラを枯らしました。
この時のレジーナの言葉は、『自分より美しい存在がある事を認めている』と言う証拠でもあると思います。
花の美しさを認識出来ると言う事は、レジーナには優しい心が溢れている。
きっとありすは、初めて出会った時に、無意識にそれを見抜いていたのでしょう。
「受け取って下さい!この愛を!!」「愛…!」
キュアロゼッタの言葉に反応し、一瞬、瞳の色が元の青色に戻ったレジーナ。
しかし、愛を受け入れる事に怯えるレジーナは頭を振り、自分の頭から愛を振り払おうと試みます。
キュアロゼッタを攻撃する様にジコチューに命じる、レジーナ。
鉢植えを庇いながらその攻撃を背中に受けたキュアロゼッタは、大気圏に突入する勢いで落下しました。
「そんなに愛が好きなら、愛と一緒に消えちゃえ!」
落下するキュアロゼッタを罵るレジーナ。
『麗奈さん、御免なさい。私の愛の力が足りませんでした…!』
『せめて、このコスモスだけでも!』キュアロゼッタが諦めようとした瞬間、その目に飛び込んだのは、コスモスの二葉。
目の前にある大切な命を守る為に、キュアロゼッタは再び、気力を取り戻しました。
『そうです。其処に命がある限り…諦めては、いけません!』
キュアロゼッタが気力を取り戻した瞬間、鳴り響くマジカルラブリーハープの音色。
自分の背中に羽が生え、落下が収まった事に気付き、キュアロゼッタは周囲を見回しました。
「皆さん!どうやって此処へ!?」
キュアロゼッタの質問に、親指で背後を指し示すキュアハート。
其処には、麗奈の高笑いと共に、巨大なプロペラ機が。
「ありす!いえ、キュアロゼッタ!」
麗奈の言葉を聞きキュアロゼッタが振り向くと、首を縦に振り合図をするキュアハート。
キュアハートの仕草を見て、キュアロゼッタは、仲間達が此処まで来る事が出来た理由を悟りました。
「この五星麗奈!友の為なら、世界の果て迄でも飛べますわ!」
「しかも、この五星財閥のソーラープレーンなら、全員乗る事が出来てよ!」
「有難う。」
『有難うございます』ではなく、より砕けた表現で感謝を述べたキュアロゼッタ。
ありすが麗奈に対し、親しみを持っている証拠だと思います。
「お礼を言うのは私の方です!」
「これまで私が意地悪をしていたのは、あなたと友達になりたかったから!それなのにあなたは、既に私を友達と思ってくれていた!!」
「はい!初めて出会った時から。」「うう~!」
ありすの言葉を聞き、感涙する麗奈。
「皆さん!私にはこの程度の事しか出来ませんが、私の大切な友を、宜しくお願い致します!!」
「「はい!!」」」「ええ!!」
ありすの大切な友達の願いを快諾する、キュアハート達。
この瞬間、麗奈とマナ達も本当の友達になったのだと思います。
「ちょっと、マナ~!私の話を、聴いてくれる?」
「うん!幾らでも!」
声を掛けられ、ノコノコとレジーナに近付くキュアハート。
「私も、レジーナと一杯お話したいの!」
「私ね…。そう言う『友達ごっこ』、一番ムカつくの!!」
レジーナが心を開いてくれたと、期待に胸を膨らませていたキュアハート。
しかし、レジーナの口から放たれたのは、拒絶の言葉でした。
「ロゼッタリフレクション!!」
キュアハートに放たれたジコチューの攻撃を、咄嗟に防ぐキュアロゼッタ。
「全部消えちゃえ!!」
2人の無事な姿を見て、強力な攻撃を放つレジーナ。
キュアソードがキュアハートを、キュアダイヤモンドがキュアロゼッタを庇い、2人は事無きを得ました。
キュアハート達を攻撃したレジーナを倒す為に、ラブキッスルージュで応戦するキュアエース。
同じ色の瞳の2人が、お互いを睨み付けます。
何らかの関係性があると思われる、レジーナとキュアロゼッタ。
2人の対戦は、レジーナに軍配が上がりました。
「枯れちゃいな!」と、プリキュアに向かい全方位攻撃を繰り出すジコチュー。
その攻撃をモロに浴び、キュアハート達は大きなダメージを負いました。
「やったね!次は特大の種で、地球の花全~部と、プリキュア達をしわくちゃにしちゃって!!」
「任せちゃいな!」
次のジコチューの攻撃が通れば、地上に甚大な被害が及ぶ。
その危機的な状況を察したキュアロゼッタは、残る力を振り絞り、ロゼッタリフレクションを展開しました。
「いけません!それ以上パワーを使い続けたら、キュアロゼッタの生命エネルギーまでもが失われてしまいます!!」
「「「ええっ!!」」」
キュアロゼッタに迫る危機的状況。キュアエースの指摘に、驚きを隠せないキュアハート達。
それでもキュアロゼッタは、仲間達や地上の人々を守る事を止めようとしませんでした。
「私は、負けません!」
「馬っ鹿みたい!それじゃあ、守るだけで何にも出来ないジャン!」
キュアロゼッタの頑張りを、馬鹿にするレジーナ。
しかし、キュアロゼッタの信念は、たじろぎませんでした。
「それでも、構いません…!花は其処にあるだけで、人々を笑顔にします!マナちゃんや麗奈さん達は、私にとって花と同じ!」
「ならば、私に出来る事は、全力でその花を守り抜く事です!!」
「そして、レジーナさんも…守るべき花の、一つなのです!!」
キュアロゼッタの言葉に、再び心を動かされるレジーナ。
その『迷い』を断ち切る為に、レジーナは渾身の力でキュアロゼッタに攻撃を放ちました。
「うあああっ!!!!!」「ありす!!!」
更なる攻撃の衝撃が全身に伝わり、絶叫するキュアロゼッタ。友達の身を案じる麗奈。
「あなたに、コスモスの花言葉を贈ります。花言葉は、『乙女の純真』。本当のあなたは、純真な心を持っています!そして、その心は、愛に溢れています!!」
キュアロゼッタの言葉が通じたのか、攻撃の手を緩めるレジーナ。
その瞬間、アイちゃんが持っていたコスモスの鉢植えが、一気に開花しました。
『まただ…!胸がチリチリ、熱い…!』
目の前に広がる、美しいコスモスの花。
その光景を目にした瞬間、胸を押さえ、苦しみ出したレジーナ。
――遂に、レジーナのプシュケーから、少し輝きが戻り始めました。
※大切な友達を、大切な人達を、命を賭けても守り抜くと宣言したキュアロゼッタ。
武術の達人である彼女の力が、『守りの力』であった理由が、今やっと解った気がします。
キュアロゼッタの二つ名・『ひだまりポカポカ』。
これは、『ひだまり』と言う『暖かくて小さな場所』を、人々の心に擬えた表現なのではないでしょうか?
『小さくて暖かい心を、命を賭けて守る』
それが、ありすの誓いであり、キュアロゼッタの力の源なのだと思います。
「皆!行くよ!」
キュアロゼッタの真心がジコチューの攻撃を防ぎ切り、ジコチューが弱体化。
その一瞬を逃さずキュアハート達は、『プリキュア ロイヤルラブリーストレートフラッシュ』で、ジコチューを浄化。
こうして、地球滅亡の危機は、5人の活躍により回避されました。
「レジーナさんの心には、やっぱり愛が、溢れていました。」
「ううう~!ムカつく!ムカつく!ムカつく!」
戦いを通じて、レジーナの心に眠る優しさを見抜き、微笑むキュアロゼッタ。
敗れたレジーナは、悔しさの余り地団太を踏んで、その場を去りました。
ありすの慧眼の素晴らしさに感心すると共に、レジーナの子供っぽい仕草が可愛らしくて、思わず笑ってしまいました。
戦いが終わり、枯れた草花が元に戻ると、人々にも笑顔が戻りました。
そして、夕暮れ。ありすと麗奈は、友情の証として、お互いが育てた鉢植えを交換しました。
「受け取って。友情の証よ!」「有難うございます。私からも!」
2人に友情が芽生えた事を祝う、セバスチャンと麗奈のお付きのお嬢様達。
妖精達もまた、草花の影に隠れながら、その場面を見守っていました。
「良かったシャルね~!」「でも、ありすの一番の友達は、ランスでランス~!」
何故か、麗奈に対抗するランス。
その可愛らしい姿には、いつも癒されます。
「お花屋さん、楽しかったね!」と微笑むマナに、「新たな夢を持つ事が出来ました!」と語るありす。
その夢は、とても壮大な内容でした。
「これまでは漠然と、『人々の笑顔を守りたい』と考えていましたが、それには、『大いなる愛の力』が必要だと解りました。」
「か弱くても、其処に居るだけで人々を笑顔にする花の様な存在を、大いなる愛の力で守り抜く。」
「その為に私は、四葉財閥を、更に大きく育てて行きます!」
その壮大な夢を聞き、感涙するセバスチャン。微笑む麗奈達。
ありすの夢の実現の為に、麗奈はきっと、持てる力の全てを使って手助けするのでしょう。
「私も。いつか愛の力で、レジーナを…!」
「はい。私も全力で、お手伝いさせて頂きますわ!」
レジーナを想うマナの願いを、全力で支える事を笑顔で誓うありす。
マナ達の気持ちがレレジーナに届く日は、きっと、もうすぐです。
そして、次回予告。
誕生日を知らないらしい亜久里の為に、誕生日会を企画するマナ達。
それを邪魔する、レジーナとイーラ。
レジーナと亜久里の謎が、一つ明かされるのでしょうか?
次回も、とても楽しみです。
※何故か戦いの場が成層圏になってしまう、ちょっとカオスな展開でしたが、『大切な人達を命懸けで守り抜く』と言うありすの決意が観られて、とても良かったです。
今回の話で、ありすの本当の強さの秘密が解った気がしました。
そして何よりも、麗奈がありすと友情を結べたのが、本当に良かったです。
何となくですが、これからの麗奈は、ありすの為に全力で手助けする人物になると思います。
ジコチュー達との最終決戦に向けて、今後の麗奈の登場に、期待したいです。
真琴の歌に心を温められ、ありすの真心により、心に一条の光が宿ったレジーナ。
因縁深いと思われる亜久里との触れ合いは、レジーナに何を齎すのでしょうか?
レジーナと亜久里が微笑み合って、マナ達と一緒に過ごす日々が来る事を心から願っています。