
ドキドキ!プリキュア・第12話『マナの決意!あたし弟子をとります!』感想
様々な分野で活躍し、頼り甲斐のある生徒会長のマナに憧れる生徒は数知れず。
弟子志願の生徒が押し掛けてくることも、特に珍しいことではありません。
今回、マナに弟子入り志願した1年生・早乙女純君も、そんな生徒の一人です。
しかし彼は、小さな身体ながらも必死にマナに追い付く為に、努力を重ねていました。
憧れの先輩・マナの様に、強く逞しくなりたい。
身体の小さい彼には、マナは正に理想像であり、目標そのものでした。
しかし、どんなに努力を重ねても、マナの様に成果を残せない。
それは、急激な成長を望む年頃の少年にとっては、焦りを覚える事態でもありました。
『相田先輩の様に…。相田先輩よりも、強くなりたい…!』
純君が心の中で芽生えた気持ちは、向上心の裏返し。
しかし、それすら利用して、意のままに操ろうとするイーラ。
マナ達は、イーラの企みから純君を救うことが出来るのでしょうか?
※今回の話を観た後に、第1話のタイトルコール直後の映像を観ると、何か発見があるかも知れません。
(単なる勘違いだったら、申し訳ありません。)
校舎の一角にある、小さな花壇。しかし、その花壇には、ほとんど花は植えられていません。
その傍で、意を決して拳を握る小柄な男子生徒。彼が向かった先は、マナ達の居る教室でした。
「それにしても、まさかアイちゃんに助けて貰うなんて…。」
「実はアイちゃんは、とっても頼りになる助っ人なのかも知れないシャル?」
教室の片隅で、先日の戦いのことを振り返るマナ達。
その会話には、ラブリーコミューンに変身したシャルル達妖精も加わっていました。
傍から見れば、マナ達が宙を浮かぶ携帯が喋っているという、不自然な光景。
しかし、マナ達の態度が余りにも自然な為か、誰も不審に思っていない様です。
きっと、『ああ。四葉財閥の新製品なんだろう』位の認識なのだと思います。
「失礼します!」
マナ達がアンジュ王女の捜索や今後の方針について話し合っていると突然、勢い良く扉を開く音が。
驚いているマナ達に近付く、下級生の少年。そして――。
「あ、相田先輩!僕を、弟子にして下さい!!」
「で、弟子?」土下座で弟子志願する少年の姿を見て、驚くマナ。
八嶋さんに机を借り、弟子志願の1年生・早乙女純君の面接を始めるマナ。
隣には真琴。後ろには六花が控え、彼の志望動機を聞いています。
「弟子って、何ケル?」「尊敬する人の傍に付いて、その人から色々なことを学ぶ人ビィ。」
マナ達の座る椅子の下で、弟子についての問答をするラケルとダビィ。
「またか…。」と呟く六花に、その理由を訊く真琴。
六花によると、マナに憧れて弟子入り志願する生徒は、結構居るとのことです。
純君に、弟子入り志願の理由を訊くマナ。
「それは、昨日のことです…。」純君は、マナに昨日の出来事を語り始めました。
どういう経緯なのか不明ですが、13冊の重たそうな本をふらついた足取りで運ぶ純君。
案の定、本は雪崩を起こし、崩れ落ちそうになりました。
その危機を救ったのは、通り掛かりのマナ。
崩れ落ちそうになった本を支えた後、「手伝うよ。」と、軽々と全ての本を抱え、そのまま図書室に運んでしまいました。
「その姿は、とても力強くて、頼もしくて…!まるで、白馬の王子様の様でした…!」
夢見る乙女の様に、昨日のマナの雄姿を語る純君。
「僕は、相田先輩の様に、強く逞しい男になりたいのです!!」
「お願いです!僕を、弟子にして下さい!!」
「白馬関係無いし。」「マナ、男じゃないし。」と六花にツッコまれたものの、熱く志望動機を語った純君。
その熱意を聞き、マナは二つ返事で、彼の申し出を受け入れました。
「早乙女純!弟子として、精一杯頑張ります!!」
マナに敬礼し、張り切る純君。その様子を、温かな眼差しで見守る二階堂君達。
こうして、純君のマナの弟子としての日々が始まりました。
昼休み。売店は既に、戦場と化していました。
多くの生徒でごった返し、売店のオバちゃん一人では、到底対処し切れません。
売店でのパン購入戦に敗れ、昼食抜きを覚悟する三村君。
彼に助け舟を出したマナの活躍を見学することが、純君の初めての実地訓練です。
「オバちゃ~ん!焼きそばパン、ある~!?」
「あっ!マナちゃん。ちょっと待ってて!今、人手が足りなくて!」
「じゃあ、手伝うよ!」
オバちゃんが人手が足りなくて困っている事を知り、マナは急遽、売店の手伝いをすることにしました。
「目的がちがうんじゃあ…?」と戸惑う純君を置いて、マナは人垣を掻き分け、売店の中へ。
純君もマナに続こうとしますが、生徒達の勢いに押し出されてしまいました。
「さあ!ご注文をどうぞ!」三角巾を被り、笑顔で接客を始めるマナ。
生徒達が口々に叫ぶ注文に耳を澄ませ、次々と商品と代金を引換え、お釣りまで違わずに生徒に手渡します。
聖徳太子並みの記憶力を発揮し、あっという間に客を捌き切ったマナ。
そして、無事に三村君の依頼品・焼きそばパンを手渡すことに成功しました。
三村君の依頼を果たす為に、強引な割り込みをせずに、商品を捌くことで行列を解消させたマナ。
その見事な手腕を目の当たりにして、感激する純君。
しかし、三村君のことや生徒達のことを優先した為、マナは自分のパンを確保することを忘れてしまいました。
「ははは…。六花様ぁあああ~!!」
必死に手を合わせ、六花にお弁当を分けてくれる様に頼み込むマナ。
「はいはい。お弁当、分けてあげるわ…。」
呆れた口調で、マナにお弁当を分けることを了承する六花。
きっと、この遣り取りも日常茶飯事なのでしょう。
その直後、車が急ブレーキを踏んだ瞬間の様な叫び声が。
マナが慌てて駆け寄ると、荷物を持った女生徒が、階段から転げ落ちたのか、うずくまっていました。
「手伝います!」マナが女生徒を保健室に運ぶのを手伝う、純君。
幸い、女生徒の怪我は、膝の消毒とガーゼ塗布程度の軽傷でした。
そしてマナは、養護教諭が腹痛の生徒の応対をしている間に、代わりに書類を職員室に運ぶことに。
純君も一緒に書類を運んでいると、「何コラ!タココラ!」と、口喧嘩をしている二階堂君達と遭遇しました。
二階堂君達と睨み合う、3人の生徒。
おや?良く見ると、第1話でクローバータワー前で言い争っていた他校の生徒達とそっくりです。
――もしかして、あの生徒達、マナと友達になりたくて、転校してきたの!?
もし、そうだったら、とんでもない行動力です。
実際はどうかは不明ですが、今後、マナに憧れて転校して来る生徒が登場するかも知れません。
言い争う二階堂君達を窘めるマナ。純君もマナに倣い、おどおどしながらも大柄な男子生徒を宥めています。
そして、どういう経緯なのか、純君の手には『エースティ』が。
これが、あの大柄な少年のプレゼントなら、彼もまた、真琴のファンなのでしょう。
熱烈な『まこぴーファン』である二階堂君達ともきっと、これがキッカケで仲良く出来る様な気がします。
体育館の清掃に続き、生徒会室でのお茶汲み。
横断歩道を渡る小学生の誘導に、子持ちの母親を手助けするマナの荷物持ち。
そして、疲れ果てた老夫婦を助け、マナと一緒に『ソリティア』のベンチで老夫婦の肩を揉む純君。
小さい身体ながらも、懸命にマナに近付こうと努力する純君は、六花達にも認められる存在になりました。
ソリティアの応接間(?)で、アイちゃんを抱っこするマナを見て、感心する純君。
「抱っこしてみる?」とマナに勧められ、アイちゃんを抱っこすることに。
ほんの一瞬戸惑いを見せたものの、すぐに純君に懐き、彼の頬っぺたや髪を掴んで遊ぶアイちゃん。
それでも、まだ上手くアイちゃんをあやせない純君に助ける為に、ラケルを使いガラガラを取り出した六花。
純君からアイちゃんを引き受け、ガラガラであやし始めました。
疲れ果て、ソファーでグッタリする純君を労う六花達。
ありすに甘い物を勧められた純君が飴を食べようとすると、その様子をマナが見詰めていました。
「純君って、頑張り屋さんだね。」と、純君の頑張りを褒めるマナ。
「先輩に比べたら、まだまだです。」と恐縮する純君。
純君にとっては、何もかもが初めてのことで慌ただしく、大変だった一日。
でも、マナにとっては、『大変だけど楽しい一日』でした。
『人に感謝の言葉を掛けて貰ったり、喜ぶ姿を見られることは嬉しい。』
笑顔で語るマナの姿を見て、ヘトヘトだった自分とマナとの差を思い知る純君。
『本当になれるのかな…?先輩の様に。』
『いや、頑張れば、僕だって…!』
挫けそうになる心を奮い立たせる様に、頭を振る純君。
その直後、突然、純君の肩に手が乗せられました。
「そんな頑張り屋さんの君には、コレ。君の望みが叶う様に、この『お守りラビーズ』をあげよう。」
音も無く純君の背後に忍び寄り、純君の胸にお守りラビーズを付けるジョー。
その不審な行動を見て、警戒する真琴。
その頃、ジコチュートリオのアジトのボーリング場では…。
「くそっ…。プリキュアめ…!」
前日の手痛い敗北が原因で、身体中に包帯を巻いているベール。
歳の所為なのか、それとも深刻なダメージを負っているからなのか、まだ本調子ではない様です。
まだ余裕を見せているイーラとマーモに、「もう、後が無いんだ。」と、キングジコチューの怒りが爆発寸前だと言うことを知らせるベール。
「いいさ。だったら…本気でやってやろうジャン!」
気合を込めて、ボーリングの球を投げるイーラ。
しかし、気合に反して、ボールは無情にもガーターに。
ムキになったイーラは、ピンを全て倒す為に、4つのボールを連続投球。
その甲斐もあり、何とか全てのピンを倒すことが出来ました。
ただ、実際にこんなことをボーリング場ですると、確実に出入り禁止になります。
それどころか、機材が故障した場合は、損害賠償請求されることになるでしょう。
「ズルーい。」顔にパックをしながら呟く、マーモ。
「要は、倒せばそれで良いんだろ?プリキュア…!絶対に倒す!」
何時になく真剣な表情を見せる、イーラ。
いつも遊び半分だったイーラが遂に、本気モードに入りました。
その実力は果たして、どれ程のものなのでしょうか?
翌日。リストを手に、図書室でマナが読む大量の本を集める手伝いをする純君。
相談事の参考になりそうな本を、全て読むつもりのマナの姿勢を知り、感動しています。
戸棚の一番上にある分厚い本を取る為に、手を伸ばす純君。しかし、あと一歩のところで手が届きません。
「上の方は、私が取るよ。」「済みません…。」
自分が取れなかった本を、軽々と取ってしまったマナに恐縮する純君。
その様子を、六花と真琴が見守っていました。
「よく続くわね。」「あの子、努力家だわ。」「でも、少し元気がないみたいだビィ。」
ダビィの心配通り、純君は、マナと自分との能力の差を実感し、挫けそうになっていました。
本棚を見上げ、溜息を吐く純君。
テニス部の助っ人として、次の対戦相手のサーブをそっくり再現するマナ。
「こんなサーブ、僕にはとても…。」
マナの超人的な能力を目の当たりにして、純君は、また落ち込んでしまいました。
「あっ、持ちますよ。」と、テニス部の助っ人を終えたマナの代わりに、マナの鞄を運ぼうとした純君。
しかし、その鞄は余りにも重く、持ち上がることすら出来ませんでした。
「今日は重いから、自分で持つよ。」純君が持てなかった鞄を、片手で軽々と持つマナ。
その姿を見送りながら、純君は更に落ち込んでしまいます。
六花と真琴と一緒に楽しそうに下校するマナの後ろを、トボトボと付いて行く純君。
土手に車を停めて待っていたありすは、そんな彼の様子を察し、純君と一緒に歩くことに。
「今日も、マナちゃんのお手伝いですか?お疲れ様です。」
マナの手伝いをしていた純君を労う、ありす。
しかし、『お疲れ様』という言葉すら、無力感に苛まれている彼の心には、重たく圧し掛かりました。
『僕は、何も…。』
無力感に押し潰されそうになる、純君。
その瞬間、近くで遊んでいた少女の帽子が風に飛ばされて困り果てている声に気付き、意識を現実に戻しました。
「任せて!」「僕も…!」
純君よりも一瞬早く反応したマナは、帽子を追い掛けて駆け出しました。
マナに追い付き、帽子を飛ばした少女に届ける為に、必死に追い掛ける純君。
しかし、マナとの距離は一向に縮まりません。
『僕は、背も低くて…。足も遅くて…。力も無くて…!』
自分の足に躓き、転ぶ純君。
見上げると、その視線の先には、帽子をジャンプで受け止めて笑顔を見せるマナの姿が。
『どんなに努力しても…。僕は、先輩みたいにはなれない…。』
『強く…大きくなりたいっ!先輩よりもっ!!』
『なれる訳ないか…。』
一瞬、マナへの嫉妬にも似た向上心が頭をもたげるものの、諦めてしまった純君。
その直後、イーラの囁きにより、彼はプシュケーを奪われてしまいました。
純君の心に芽生えたのは、『目標であるマナよりも強くなりたい』と言う、向上心の裏返しの感情です。
それは決して自己中な考え方では無い筈なのに、イーラは純君の心の在り様を捻じ曲げて、下僕にしてしまいました。
「さて、たまには気合入れなきゃな…。」
『お前の闇を、我に捧げよ!』純君から取り出した闇のプシュケーを飲み込み、ビースト形態に変身したイーラ。
その姿は、純君の『大きくなりたい』という願いを具現化した、象の姿でした。
しかし、傍目からは『着ぐるみの象さん』にしか見えませんでした。
「か、可愛い…。」「象さん、可愛いランス~!」
「可愛いって言うな~!」真琴とランスに「可愛い」と言われてしまい、必死に否定するイーラ。
その隙にマナは、傍に居た2人の少女に避難を促し、六花達と共にプリキュアに変身しました。
ビースト形態と化したイーラは、その外見に反して強く、プリキュアの攻撃を次々と跳ね返し、キュアハートを土手に投げ捨てて、一気に優勢に持ち込みました。
「強い!可愛いのに…。」「可愛いって言うな!」
外見に反する強さに戸惑うキュアダイヤモンドに、力一杯ツッコむイーラ。
「まだやるかい?言っとくけど、今日の僕は本気だぜ。」
「当たり前でしょ!純君を助けなきゃ!!」
いつになく凄みを見せるイーラに怯まず、戦いを挑むキュアハート。
イーラは余裕綽々に、「僕は、こいつの望みを叶えてやってるだけさ。」と、キュアハートを挑発。
同化している純君のプシュケーに対し、「なあ?」と囁き、同意を求めました。
「強くなりたい…。大きく、逞しく…!」
本来の気持ちをイーラに歪められた形で、自分の願望を呟く純君。
「違う!こんなやり方、純君の本当の望みじゃない!!」
「でも僕は、先輩みたいには…なれないんだあああ!!!」
純君の心に届く様に叫ぶ、キュアハート。
しかし、イーラにより絶望の淵に落とされている今の彼に、その言葉は耳に入りませんでした。
「あなた、マナの何を見ていたの!強ければ、マナみたいになれるの?そうじゃないでしょ!?」
「マナだって、最初から何でも出来た訳じゃない!誰かの力になりたくて、頑張り続けたから!今のマナがあるのよ!!」
「『出来る」『出来ない』ではなく、大切なのは、『誰かの為に何かをしたい』という、マナちゃんの心!強さとは、その心のことです!!」
マナの傍に居て、いつも人の為に努力を重ねる姿を見て来た3人は、攻撃を躱しながら、純君の心に届く様に叫び続けます。
「皆、褒め過ぎ…。私だって、しょっちゅう失敗したり、落ち込んだりしてる。――純君と同じだよ。」
ビースト形態のイーラに攻撃を繰り出しながら、純君に語り掛けるキュアハート。
その直後、その言葉を否定する様に反撃し、キュアハートを吹き飛ばしたイーラ。
「止めだ!」イーラは上空から飛び蹴りを繰り出し、キュアハートに襲い掛かりました。
次の瞬間、純君のプシュケーが輝き出し、奇跡が!
イーラの繰り出した蹴りは、直前で軌道を変え、僅かにキュアハートから外れていました。
「は、外れた!?」必中のタイミングで繰り出した筈の蹴りが外れ、驚きを隠せないイーラ。
「ええいっ!な、何だ…?足が、動かない!!」
キュアハートに攻撃を繰り出そうとするイーラに、必死で抵抗を試みる純君。
「ほら。やっぱり!」その様子を見て、純君の心に微笑み掛けるキュアハート。
「私みたいにならなくても、純君は、とっても素敵だよ。」
自分の真似をしようと背伸びしている純君の姿を見ながら、その本質を見抜いていたマナ。
弱い心に立ち向かおうとする純君の心を確認出来て、本当に嬉しそうです。
「余計な事するんじゃねえよ!」と、純君のプシュケーを押さえ付け、身体の主導権を奪ったイーラ。
プリキュアを踏み潰す為に繰り出した蹴りを、キュアハート達は、がっちりとキャッチ。
純君の心を救う為に、4人で力を合わせて、イーラに立ち向かいます。
「いつも一生懸命頑張ってる純君に、私…キュンキュンした!だから、純君のハートは、渡せない!!」
「純君を…返せええええ!!!!!」
気合を込めて、イーラを空中に放り投げたキュアハート達。
「プリキュアスパークルソード!」「プリキュアロゼッタリフレクション!」「プリキュアダイヤモンドシャワー!」
改良された必殺技バンクを披露しながら、次々と攻撃を繰り出すプリキュア達。
「プリキュアハートシュート!」
「強くなりたいと努力する純君の想い!真っ直ぐな願い!それは決して、ジコチューな心じゃない!!」
純君の心を弄んだイーラに対し、怒りを顕わにするキュアハート。
その一撃はイーラを貫き、彼のジャネジーを大量に消し去りました。
「キュアハートめっ!!」
悔しさを噛み締めて、その場から去るイーラ。
こうして、純君のプシュケーは無事に浄化され、純君はプシュケーを取り戻しました。
「あっ…。」純君が目覚めると、目の前にはマナの笑顔が。
自分がマナに膝枕されていたことに気付き、慌てて飛び起きました。
純君を囲む様に、正座している六花とありす。
もしかしたら、マナの前に純君を膝枕していたのでしょうか?
「僕は、何を…??」「ちょっと、お昼寝してただけですわ。」
ありすに状況を説明されても、まだ現状を今一つ把握していない純君。
マナに微笑み掛けられても、曖昧な返事をするだけでした。
そして、数日後。
「最近来ないわね。あの子。」「純君、どうしたのかなぁ?」「う~ん…。」
あの日以降、マナ達の前から姿を消した純君の現状を心配するマナ達。
ふと足を止めると、目の前の花壇に色とりどりの花が植えられていることに気付きました。
「うわあ!綺麗。でも、此処の花壇って、こんなんだっけ?」
「気に入って、貰えました?」
マナが見上げると、其処にはスコップと植物の苗を持った純君の姿が。
実は園芸が趣味だった純君が、自分で育てた花を持ち寄り、花壇に植えたとの事。
「僕、気付いたんです。僕は、先輩みたいに強くなれません。」
「でも、僕の花を見て誰かが笑顔に、元気になってくれたら良いなぁ…って。」
「僕が憧れていたのは、きっと、そう言うことだと思うんです!」
はにかんだ笑顔を見せた直後、「済みません!」と、弟子を勝手に辞めてしまったことを謝る純君。
しかしマナは、純君が作り上げた花壇を見て、「感動した!」と、目をキラキラさせていました。
「あなたこそ、弟子が取れるんじゃない?」「ええ!?それは…どうでしょう。」
真琴に褒められて、照れ笑いする純君。
こうして、純君のマナの弟子としての日々は終わり、純君は新たな一歩を歩み始める事に。
純君の成長した姿を見て、優しく微笑むマナ。
「ふ~ん。あれがプリキュアかぁ…。良い遊び相手、みーつけた!」
屋根に上りマナ達の様子を窺っていた、謎の少女・レジーナの不敵な笑み。
マナとは違う意味で強い意志を秘めたその眼差しは、一体何を見据えているのでしょうか?
そして、次回予告。
トランプ王国にしか咲かない筈のバラ『ロイヤルイエロー』を手に入れる為に、『ローズレディコンテスト』に出場することになったマナ達。
しかし、ありすの幼馴染でライバル企業の娘・五星麗奈と手下のお嬢様達の、執拗な妨害を受ける羽目に。
ただ、麗奈は、ありすを怒らせて本気を出させる為に、敢えて意地悪をしている様です。
果たしてありすは、怒りに身を任せて暴走してしまうのでしょうか?
それとも、尋常な勝負を通じて、麗奈と友情を育む事が出来るのでしょうか?
そして、気になるのは、謎の少女・レジーナの動向です。
何となく、『無邪気な悪意』を振り撒く感じのする少女に思えますが、実際はどうなのでしょうか?
マナの最大のライバルとして立ちはだかるのでしょうか?
それとも、あっさりとマナ達に感化されて仲間になるのでしょうか?
次回が、とても楽しみです。
※最初は、単純にマナの『強さ』に憧れていた純君が、マナ達と触れ合うことで、自分が憧れていた気持ちの正体に気付くという、とても心温まる展開になりました。
純君が今回のゲストキャラではなく、今後も登場する事に期待したいです。
次回は、麗奈やお嬢様達が、執拗にマナ達の妨害をする様ですが、最後はきっと、心温まる展開になると信じています。
そして、ありすが自分の力を存分に発揮し、攻撃技を披露する展開になることにも期待しています。
弟子志願の生徒が押し掛けてくることも、特に珍しいことではありません。
今回、マナに弟子入り志願した1年生・早乙女純君も、そんな生徒の一人です。
しかし彼は、小さな身体ながらも必死にマナに追い付く為に、努力を重ねていました。
憧れの先輩・マナの様に、強く逞しくなりたい。
身体の小さい彼には、マナは正に理想像であり、目標そのものでした。
しかし、どんなに努力を重ねても、マナの様に成果を残せない。
それは、急激な成長を望む年頃の少年にとっては、焦りを覚える事態でもありました。
『相田先輩の様に…。相田先輩よりも、強くなりたい…!』
純君が心の中で芽生えた気持ちは、向上心の裏返し。
しかし、それすら利用して、意のままに操ろうとするイーラ。
マナ達は、イーラの企みから純君を救うことが出来るのでしょうか?
※今回の話を観た後に、第1話のタイトルコール直後の映像を観ると、何か発見があるかも知れません。
(単なる勘違いだったら、申し訳ありません。)
校舎の一角にある、小さな花壇。しかし、その花壇には、ほとんど花は植えられていません。
その傍で、意を決して拳を握る小柄な男子生徒。彼が向かった先は、マナ達の居る教室でした。
「それにしても、まさかアイちゃんに助けて貰うなんて…。」
「実はアイちゃんは、とっても頼りになる助っ人なのかも知れないシャル?」
教室の片隅で、先日の戦いのことを振り返るマナ達。
その会話には、ラブリーコミューンに変身したシャルル達妖精も加わっていました。
傍から見れば、マナ達が宙を浮かぶ携帯が喋っているという、不自然な光景。
しかし、マナ達の態度が余りにも自然な為か、誰も不審に思っていない様です。
きっと、『ああ。四葉財閥の新製品なんだろう』位の認識なのだと思います。
「失礼します!」
マナ達がアンジュ王女の捜索や今後の方針について話し合っていると突然、勢い良く扉を開く音が。
驚いているマナ達に近付く、下級生の少年。そして――。
「あ、相田先輩!僕を、弟子にして下さい!!」
「で、弟子?」土下座で弟子志願する少年の姿を見て、驚くマナ。
八嶋さんに机を借り、弟子志願の1年生・早乙女純君の面接を始めるマナ。
隣には真琴。後ろには六花が控え、彼の志望動機を聞いています。
「弟子って、何ケル?」「尊敬する人の傍に付いて、その人から色々なことを学ぶ人ビィ。」
マナ達の座る椅子の下で、弟子についての問答をするラケルとダビィ。
「またか…。」と呟く六花に、その理由を訊く真琴。
六花によると、マナに憧れて弟子入り志願する生徒は、結構居るとのことです。
純君に、弟子入り志願の理由を訊くマナ。
「それは、昨日のことです…。」純君は、マナに昨日の出来事を語り始めました。
どういう経緯なのか不明ですが、13冊の重たそうな本をふらついた足取りで運ぶ純君。
案の定、本は雪崩を起こし、崩れ落ちそうになりました。
その危機を救ったのは、通り掛かりのマナ。
崩れ落ちそうになった本を支えた後、「手伝うよ。」と、軽々と全ての本を抱え、そのまま図書室に運んでしまいました。
「その姿は、とても力強くて、頼もしくて…!まるで、白馬の王子様の様でした…!」
夢見る乙女の様に、昨日のマナの雄姿を語る純君。
「僕は、相田先輩の様に、強く逞しい男になりたいのです!!」
「お願いです!僕を、弟子にして下さい!!」
「白馬関係無いし。」「マナ、男じゃないし。」と六花にツッコまれたものの、熱く志望動機を語った純君。
その熱意を聞き、マナは二つ返事で、彼の申し出を受け入れました。
「早乙女純!弟子として、精一杯頑張ります!!」
マナに敬礼し、張り切る純君。その様子を、温かな眼差しで見守る二階堂君達。
こうして、純君のマナの弟子としての日々が始まりました。
昼休み。売店は既に、戦場と化していました。
多くの生徒でごった返し、売店のオバちゃん一人では、到底対処し切れません。
売店でのパン購入戦に敗れ、昼食抜きを覚悟する三村君。
彼に助け舟を出したマナの活躍を見学することが、純君の初めての実地訓練です。
「オバちゃ~ん!焼きそばパン、ある~!?」
「あっ!マナちゃん。ちょっと待ってて!今、人手が足りなくて!」
「じゃあ、手伝うよ!」
オバちゃんが人手が足りなくて困っている事を知り、マナは急遽、売店の手伝いをすることにしました。
「目的がちがうんじゃあ…?」と戸惑う純君を置いて、マナは人垣を掻き分け、売店の中へ。
純君もマナに続こうとしますが、生徒達の勢いに押し出されてしまいました。
「さあ!ご注文をどうぞ!」三角巾を被り、笑顔で接客を始めるマナ。
生徒達が口々に叫ぶ注文に耳を澄ませ、次々と商品と代金を引換え、お釣りまで違わずに生徒に手渡します。
聖徳太子並みの記憶力を発揮し、あっという間に客を捌き切ったマナ。
そして、無事に三村君の依頼品・焼きそばパンを手渡すことに成功しました。
三村君の依頼を果たす為に、強引な割り込みをせずに、商品を捌くことで行列を解消させたマナ。
その見事な手腕を目の当たりにして、感激する純君。
しかし、三村君のことや生徒達のことを優先した為、マナは自分のパンを確保することを忘れてしまいました。
「ははは…。六花様ぁあああ~!!」
必死に手を合わせ、六花にお弁当を分けてくれる様に頼み込むマナ。
「はいはい。お弁当、分けてあげるわ…。」
呆れた口調で、マナにお弁当を分けることを了承する六花。
きっと、この遣り取りも日常茶飯事なのでしょう。
その直後、車が急ブレーキを踏んだ瞬間の様な叫び声が。
マナが慌てて駆け寄ると、荷物を持った女生徒が、階段から転げ落ちたのか、うずくまっていました。
「手伝います!」マナが女生徒を保健室に運ぶのを手伝う、純君。
幸い、女生徒の怪我は、膝の消毒とガーゼ塗布程度の軽傷でした。
そしてマナは、養護教諭が腹痛の生徒の応対をしている間に、代わりに書類を職員室に運ぶことに。
純君も一緒に書類を運んでいると、「何コラ!タココラ!」と、口喧嘩をしている二階堂君達と遭遇しました。
二階堂君達と睨み合う、3人の生徒。
おや?良く見ると、第1話でクローバータワー前で言い争っていた他校の生徒達とそっくりです。
――もしかして、あの生徒達、マナと友達になりたくて、転校してきたの!?
もし、そうだったら、とんでもない行動力です。
実際はどうかは不明ですが、今後、マナに憧れて転校して来る生徒が登場するかも知れません。
言い争う二階堂君達を窘めるマナ。純君もマナに倣い、おどおどしながらも大柄な男子生徒を宥めています。
そして、どういう経緯なのか、純君の手には『エースティ』が。
これが、あの大柄な少年のプレゼントなら、彼もまた、真琴のファンなのでしょう。
熱烈な『まこぴーファン』である二階堂君達ともきっと、これがキッカケで仲良く出来る様な気がします。
体育館の清掃に続き、生徒会室でのお茶汲み。
横断歩道を渡る小学生の誘導に、子持ちの母親を手助けするマナの荷物持ち。
そして、疲れ果てた老夫婦を助け、マナと一緒に『ソリティア』のベンチで老夫婦の肩を揉む純君。
小さい身体ながらも、懸命にマナに近付こうと努力する純君は、六花達にも認められる存在になりました。
ソリティアの応接間(?)で、アイちゃんを抱っこするマナを見て、感心する純君。
「抱っこしてみる?」とマナに勧められ、アイちゃんを抱っこすることに。
ほんの一瞬戸惑いを見せたものの、すぐに純君に懐き、彼の頬っぺたや髪を掴んで遊ぶアイちゃん。
それでも、まだ上手くアイちゃんをあやせない純君に助ける為に、ラケルを使いガラガラを取り出した六花。
純君からアイちゃんを引き受け、ガラガラであやし始めました。
疲れ果て、ソファーでグッタリする純君を労う六花達。
ありすに甘い物を勧められた純君が飴を食べようとすると、その様子をマナが見詰めていました。
「純君って、頑張り屋さんだね。」と、純君の頑張りを褒めるマナ。
「先輩に比べたら、まだまだです。」と恐縮する純君。
純君にとっては、何もかもが初めてのことで慌ただしく、大変だった一日。
でも、マナにとっては、『大変だけど楽しい一日』でした。
『人に感謝の言葉を掛けて貰ったり、喜ぶ姿を見られることは嬉しい。』
笑顔で語るマナの姿を見て、ヘトヘトだった自分とマナとの差を思い知る純君。
『本当になれるのかな…?先輩の様に。』
『いや、頑張れば、僕だって…!』
挫けそうになる心を奮い立たせる様に、頭を振る純君。
その直後、突然、純君の肩に手が乗せられました。
「そんな頑張り屋さんの君には、コレ。君の望みが叶う様に、この『お守りラビーズ』をあげよう。」
音も無く純君の背後に忍び寄り、純君の胸にお守りラビーズを付けるジョー。
その不審な行動を見て、警戒する真琴。
その頃、ジコチュートリオのアジトのボーリング場では…。
「くそっ…。プリキュアめ…!」
前日の手痛い敗北が原因で、身体中に包帯を巻いているベール。
歳の所為なのか、それとも深刻なダメージを負っているからなのか、まだ本調子ではない様です。
まだ余裕を見せているイーラとマーモに、「もう、後が無いんだ。」と、キングジコチューの怒りが爆発寸前だと言うことを知らせるベール。
「いいさ。だったら…本気でやってやろうジャン!」
気合を込めて、ボーリングの球を投げるイーラ。
しかし、気合に反して、ボールは無情にもガーターに。
ムキになったイーラは、ピンを全て倒す為に、4つのボールを連続投球。
その甲斐もあり、何とか全てのピンを倒すことが出来ました。
ただ、実際にこんなことをボーリング場ですると、確実に出入り禁止になります。
それどころか、機材が故障した場合は、損害賠償請求されることになるでしょう。
「ズルーい。」顔にパックをしながら呟く、マーモ。
「要は、倒せばそれで良いんだろ?プリキュア…!絶対に倒す!」
何時になく真剣な表情を見せる、イーラ。
いつも遊び半分だったイーラが遂に、本気モードに入りました。
その実力は果たして、どれ程のものなのでしょうか?
翌日。リストを手に、図書室でマナが読む大量の本を集める手伝いをする純君。
相談事の参考になりそうな本を、全て読むつもりのマナの姿勢を知り、感動しています。
戸棚の一番上にある分厚い本を取る為に、手を伸ばす純君。しかし、あと一歩のところで手が届きません。
「上の方は、私が取るよ。」「済みません…。」
自分が取れなかった本を、軽々と取ってしまったマナに恐縮する純君。
その様子を、六花と真琴が見守っていました。
「よく続くわね。」「あの子、努力家だわ。」「でも、少し元気がないみたいだビィ。」
ダビィの心配通り、純君は、マナと自分との能力の差を実感し、挫けそうになっていました。
本棚を見上げ、溜息を吐く純君。
テニス部の助っ人として、次の対戦相手のサーブをそっくり再現するマナ。
「こんなサーブ、僕にはとても…。」
マナの超人的な能力を目の当たりにして、純君は、また落ち込んでしまいました。
「あっ、持ちますよ。」と、テニス部の助っ人を終えたマナの代わりに、マナの鞄を運ぼうとした純君。
しかし、その鞄は余りにも重く、持ち上がることすら出来ませんでした。
「今日は重いから、自分で持つよ。」純君が持てなかった鞄を、片手で軽々と持つマナ。
その姿を見送りながら、純君は更に落ち込んでしまいます。
六花と真琴と一緒に楽しそうに下校するマナの後ろを、トボトボと付いて行く純君。
土手に車を停めて待っていたありすは、そんな彼の様子を察し、純君と一緒に歩くことに。
「今日も、マナちゃんのお手伝いですか?お疲れ様です。」
マナの手伝いをしていた純君を労う、ありす。
しかし、『お疲れ様』という言葉すら、無力感に苛まれている彼の心には、重たく圧し掛かりました。
『僕は、何も…。』
無力感に押し潰されそうになる、純君。
その瞬間、近くで遊んでいた少女の帽子が風に飛ばされて困り果てている声に気付き、意識を現実に戻しました。
「任せて!」「僕も…!」
純君よりも一瞬早く反応したマナは、帽子を追い掛けて駆け出しました。
マナに追い付き、帽子を飛ばした少女に届ける為に、必死に追い掛ける純君。
しかし、マナとの距離は一向に縮まりません。
『僕は、背も低くて…。足も遅くて…。力も無くて…!』
自分の足に躓き、転ぶ純君。
見上げると、その視線の先には、帽子をジャンプで受け止めて笑顔を見せるマナの姿が。
『どんなに努力しても…。僕は、先輩みたいにはなれない…。』
『強く…大きくなりたいっ!先輩よりもっ!!』
『なれる訳ないか…。』
一瞬、マナへの嫉妬にも似た向上心が頭をもたげるものの、諦めてしまった純君。
その直後、イーラの囁きにより、彼はプシュケーを奪われてしまいました。
純君の心に芽生えたのは、『目標であるマナよりも強くなりたい』と言う、向上心の裏返しの感情です。
それは決して自己中な考え方では無い筈なのに、イーラは純君の心の在り様を捻じ曲げて、下僕にしてしまいました。
「さて、たまには気合入れなきゃな…。」
『お前の闇を、我に捧げよ!』純君から取り出した闇のプシュケーを飲み込み、ビースト形態に変身したイーラ。
その姿は、純君の『大きくなりたい』という願いを具現化した、象の姿でした。
しかし、傍目からは『着ぐるみの象さん』にしか見えませんでした。
「か、可愛い…。」「象さん、可愛いランス~!」
「可愛いって言うな~!」真琴とランスに「可愛い」と言われてしまい、必死に否定するイーラ。
その隙にマナは、傍に居た2人の少女に避難を促し、六花達と共にプリキュアに変身しました。
ビースト形態と化したイーラは、その外見に反して強く、プリキュアの攻撃を次々と跳ね返し、キュアハートを土手に投げ捨てて、一気に優勢に持ち込みました。
「強い!可愛いのに…。」「可愛いって言うな!」
外見に反する強さに戸惑うキュアダイヤモンドに、力一杯ツッコむイーラ。
「まだやるかい?言っとくけど、今日の僕は本気だぜ。」
「当たり前でしょ!純君を助けなきゃ!!」
いつになく凄みを見せるイーラに怯まず、戦いを挑むキュアハート。
イーラは余裕綽々に、「僕は、こいつの望みを叶えてやってるだけさ。」と、キュアハートを挑発。
同化している純君のプシュケーに対し、「なあ?」と囁き、同意を求めました。
「強くなりたい…。大きく、逞しく…!」
本来の気持ちをイーラに歪められた形で、自分の願望を呟く純君。
「違う!こんなやり方、純君の本当の望みじゃない!!」
「でも僕は、先輩みたいには…なれないんだあああ!!!」
純君の心に届く様に叫ぶ、キュアハート。
しかし、イーラにより絶望の淵に落とされている今の彼に、その言葉は耳に入りませんでした。
「あなた、マナの何を見ていたの!強ければ、マナみたいになれるの?そうじゃないでしょ!?」
「マナだって、最初から何でも出来た訳じゃない!誰かの力になりたくて、頑張り続けたから!今のマナがあるのよ!!」
「『出来る」『出来ない』ではなく、大切なのは、『誰かの為に何かをしたい』という、マナちゃんの心!強さとは、その心のことです!!」
マナの傍に居て、いつも人の為に努力を重ねる姿を見て来た3人は、攻撃を躱しながら、純君の心に届く様に叫び続けます。
「皆、褒め過ぎ…。私だって、しょっちゅう失敗したり、落ち込んだりしてる。――純君と同じだよ。」
ビースト形態のイーラに攻撃を繰り出しながら、純君に語り掛けるキュアハート。
その直後、その言葉を否定する様に反撃し、キュアハートを吹き飛ばしたイーラ。
「止めだ!」イーラは上空から飛び蹴りを繰り出し、キュアハートに襲い掛かりました。
次の瞬間、純君のプシュケーが輝き出し、奇跡が!
イーラの繰り出した蹴りは、直前で軌道を変え、僅かにキュアハートから外れていました。
「は、外れた!?」必中のタイミングで繰り出した筈の蹴りが外れ、驚きを隠せないイーラ。
「ええいっ!な、何だ…?足が、動かない!!」
キュアハートに攻撃を繰り出そうとするイーラに、必死で抵抗を試みる純君。
「ほら。やっぱり!」その様子を見て、純君の心に微笑み掛けるキュアハート。
「私みたいにならなくても、純君は、とっても素敵だよ。」
自分の真似をしようと背伸びしている純君の姿を見ながら、その本質を見抜いていたマナ。
弱い心に立ち向かおうとする純君の心を確認出来て、本当に嬉しそうです。
「余計な事するんじゃねえよ!」と、純君のプシュケーを押さえ付け、身体の主導権を奪ったイーラ。
プリキュアを踏み潰す為に繰り出した蹴りを、キュアハート達は、がっちりとキャッチ。
純君の心を救う為に、4人で力を合わせて、イーラに立ち向かいます。
「いつも一生懸命頑張ってる純君に、私…キュンキュンした!だから、純君のハートは、渡せない!!」
「純君を…返せええええ!!!!!」
気合を込めて、イーラを空中に放り投げたキュアハート達。
「プリキュアスパークルソード!」「プリキュアロゼッタリフレクション!」「プリキュアダイヤモンドシャワー!」
改良された必殺技バンクを披露しながら、次々と攻撃を繰り出すプリキュア達。
「プリキュアハートシュート!」
「強くなりたいと努力する純君の想い!真っ直ぐな願い!それは決して、ジコチューな心じゃない!!」
純君の心を弄んだイーラに対し、怒りを顕わにするキュアハート。
その一撃はイーラを貫き、彼のジャネジーを大量に消し去りました。
「キュアハートめっ!!」
悔しさを噛み締めて、その場から去るイーラ。
こうして、純君のプシュケーは無事に浄化され、純君はプシュケーを取り戻しました。
「あっ…。」純君が目覚めると、目の前にはマナの笑顔が。
自分がマナに膝枕されていたことに気付き、慌てて飛び起きました。
純君を囲む様に、正座している六花とありす。
もしかしたら、マナの前に純君を膝枕していたのでしょうか?
「僕は、何を…??」「ちょっと、お昼寝してただけですわ。」
ありすに状況を説明されても、まだ現状を今一つ把握していない純君。
マナに微笑み掛けられても、曖昧な返事をするだけでした。
そして、数日後。
「最近来ないわね。あの子。」「純君、どうしたのかなぁ?」「う~ん…。」
あの日以降、マナ達の前から姿を消した純君の現状を心配するマナ達。
ふと足を止めると、目の前の花壇に色とりどりの花が植えられていることに気付きました。
「うわあ!綺麗。でも、此処の花壇って、こんなんだっけ?」
「気に入って、貰えました?」
マナが見上げると、其処にはスコップと植物の苗を持った純君の姿が。
実は園芸が趣味だった純君が、自分で育てた花を持ち寄り、花壇に植えたとの事。
「僕、気付いたんです。僕は、先輩みたいに強くなれません。」
「でも、僕の花を見て誰かが笑顔に、元気になってくれたら良いなぁ…って。」
「僕が憧れていたのは、きっと、そう言うことだと思うんです!」
はにかんだ笑顔を見せた直後、「済みません!」と、弟子を勝手に辞めてしまったことを謝る純君。
しかしマナは、純君が作り上げた花壇を見て、「感動した!」と、目をキラキラさせていました。
「あなたこそ、弟子が取れるんじゃない?」「ええ!?それは…どうでしょう。」
真琴に褒められて、照れ笑いする純君。
こうして、純君のマナの弟子としての日々は終わり、純君は新たな一歩を歩み始める事に。
純君の成長した姿を見て、優しく微笑むマナ。
「ふ~ん。あれがプリキュアかぁ…。良い遊び相手、みーつけた!」
屋根に上りマナ達の様子を窺っていた、謎の少女・レジーナの不敵な笑み。
マナとは違う意味で強い意志を秘めたその眼差しは、一体何を見据えているのでしょうか?
そして、次回予告。
トランプ王国にしか咲かない筈のバラ『ロイヤルイエロー』を手に入れる為に、『ローズレディコンテスト』に出場することになったマナ達。
しかし、ありすの幼馴染でライバル企業の娘・五星麗奈と手下のお嬢様達の、執拗な妨害を受ける羽目に。
ただ、麗奈は、ありすを怒らせて本気を出させる為に、敢えて意地悪をしている様です。
果たしてありすは、怒りに身を任せて暴走してしまうのでしょうか?
それとも、尋常な勝負を通じて、麗奈と友情を育む事が出来るのでしょうか?
そして、気になるのは、謎の少女・レジーナの動向です。
何となく、『無邪気な悪意』を振り撒く感じのする少女に思えますが、実際はどうなのでしょうか?
マナの最大のライバルとして立ちはだかるのでしょうか?
それとも、あっさりとマナ達に感化されて仲間になるのでしょうか?
次回が、とても楽しみです。
※最初は、単純にマナの『強さ』に憧れていた純君が、マナ達と触れ合うことで、自分が憧れていた気持ちの正体に気付くという、とても心温まる展開になりました。
純君が今回のゲストキャラではなく、今後も登場する事に期待したいです。
次回は、麗奈やお嬢様達が、執拗にマナ達の妨害をする様ですが、最後はきっと、心温まる展開になると信じています。
そして、ありすが自分の力を存分に発揮し、攻撃技を披露する展開になることにも期待しています。
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