yukitaの想い出日誌 ひとひら・第9幕『この日を忘れない!』
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ひとひら・第9幕『この日を忘れない!』

こんばんは、yukitaです。

麦が演劇研究会で過ごした半年間。その日々の努力は、どんな実をつけるのでしょうか?


それは、奇跡の瞬間。

引っ込み思案で、極度のあがり症の少女。到底、演劇には向いていない性格。
そんな少女が今、舞台の注目を一身に浴びている。
「野乃。これは、あなたの起こした奇跡なの?」

麦の声の質が、変わった。その瞬間、観客の目は麦に惹きつけられた。
「ほら、頑張って。チャンスは一度しかないのよ。」
早紀を励ます、シュリア。
「は、はい!」「って、誰に言ってるの?」――不思議がる神埼(早紀の想い人)。


彼女は、何も考えていなかった…。
「私…あなたが、好き…です!」
「うん…。」「えっ?」
「何ていうか、僕も君のこと…前から、その…。」
早紀と神埼の想いが通じ合った瞬間。


ただ一所懸命だった。だから、自然と声が出て表情も、豊かになった。
「あれっ?」早紀が気付くと、傍にシュリア達の姿はなかった。
――別れの刻。
「私たち、不幸な人にしか見えないの。」シュリアの声。
「だからもう、お別れなんだ。」ロマーノの声。
黙って微笑む、マリエ。――3人の妖精との別れの瞬間。


だから、自然と涙が出てきた。
「どうしたの?」早紀の心配をする、神崎。
「嬉しくて、泣いてるだけだから。」


だから、自然と言葉が出てきた。
「大丈夫、行って。じゃあ、また後で。」
友人に呼ばれた神崎を見送り、妖精達にお礼を言う早紀。届かないかも知れないけど、きっと聞いてくれていると信じて。
「ねえ…。皆いるんだよね?今はもう、見えないけど。『ありがとう』って一回も言えなかったね。ごめんね。」
「私…あの時、死ななくて良かったと思ったよ。」

「…麦。」堂々とした、麦の姿に感涙する佳代。
「今、生きてるの楽しいよ。また辛い事もあると思うけど。でも、きっと大丈夫だよ。」
「あれは、ひとひらの夢。幻だったのかも知れないけど。でも…ありがとう!」

早紀に幸せを運んだ、3人の妖精。彼らには次の仕事が。
「おいっ!見てみろよ。あそこに超不幸って感じの奴いるぜ?」
「はぁ…。本当に沢山いるわねぇ。この世の中には。」
「それを救うのが、俺らの仕事さっ。」
「んじゃ…次の仕事、行きますか?」「ハイハイ。そうしますかねぇ。」

『ねえっ。そこの君…。』


舞台袖で、麦の頑張りを称える部員達。そして客席から、鳴り止まない拍手。
「カーテン…コー…ル。」消え入りそうな、野乃の声。
「佳代ちゃん…。私…。」
拍手の嵐を浴び、感動で涙を流す麦。それを支える部員達。

「ありがとうございましたー!」
「只今、部活動存続を賭けて、投票を行っております!」
「宜しければ、ボール入れてって下さーい!」
次々と投票されるボール。
「まいどあり~!」――甲斐の威勢のいい声。
麦の元に駆け寄り、抱きつく佳代。その目には感動の涙。
「麦!私、感動したんだから!マジで感動したんだからね。」
「麦チョコー!」
そしてちとせも、立場(演劇部員)を忘れ麦に抱きつく。
「もうっ。ハラハラで、心臓が止まるかと思ったじゃない。」「ごめん…。」
そこに美麗たちが。
「馬鹿さっさと、病院行きなさいよね。」――野乃を心配する美麗。
「それと…。負ける気はしないけど、ボール…入れないからね。」
そして、運命の投票結果が発表される――。

「さて皆様お立会い!演劇対決は、いよいよこれからが本番!ルールは簡単!玉の数が多い方が勝ち。少なければ負け!両部活の代表さんに…ドドーンとやって貰いましょう!」
集まった観客に、啖呵を切る生徒会長(女子)。
「ウチの会長さんって…。」「しっ。気にしちゃ駄目。」
困惑する麦を、嗜める理咲。(世の中には、触れてはいけない存在がある。)

「どちらの部の存続となるか…。いざ勝負!」
1・2・3(以下略)…42…43。
「44!」野乃の数えていたボールが、箱からなくなる。
美麗が切ない表情で、自分の箱からボールを取り出し、転がす。それが、麦の足元に。
「何とこの瞬間、演劇部が存続決定!」会長が、美麗の手を上げる。喜ぶ、演劇部員。
そして…。顔を覆い、涙ぐみ蹲る麦。
「終わったんだ…何もかも…。」

文化祭が終わった。そして、演劇研究会最後のミーティング。
「これで、此処に集まるのも最後なんだよな…。」呟く甲斐。
「そうね。」理咲の同意。
野乃を気遣う、たかし。
「帰った…ら、病院…行く…。あり…がとう…。」
「俺さ。ここに居て、良かったと思ってるよ。」
そして、たかしの口から研究会発足の馴れ初めを聞く、麦達。

声帯麻痺が原因で、演劇部を退部する事を決めた野乃。落ち込んでる野乃を励ました、たかし。そして…。
「だったらさ。自分で部活作っちゃうとか?」
2日後。「五人いるから入って。」野乃の一言。
本当に実行するとは、一片も思っていなかった、たかし。
「ええと。俺も一応演劇部の人間な訳で…。辞めろと?」
「ああ…。そうね。そうなるわ。」そのキッパリとした野乃の態度に、苦笑。
「はは…。OK、いいよ。」
「思えば、振り回されて来たもんだ。」「…ってかアンタが焚き付けたんかい!」突っ込む、理咲。

理咲が研究会に入った理由。――成り行き。
美麗が落ち込んでいたので理由を訊くと、野乃の事だった。
『自分の身体なんだから好きにさせればいい』という理咲に、美麗が反対。
「辞めて向こうに行けば?」と言う美麗の売り言葉に、乗った形で理咲が研究会に合流。

「…もの凄く、姉貴らしい。」納得の甲斐。「別に、後悔してないし…。」照れる姉。
「それを言うなら、俺もだ。特に興味もなかったけど、演劇も結構楽しいって思った。」
「麻井も…そうだろう?」麦の方を向く、甲斐。
「私。私は…。」
麦の脳裏を、この半年間の出来事が巡る。

入学してから半年は本当に目まぐるしくて。笑ったり・泣いたり・怒ったり。
ひどい事を言われて、凄く傷付いた事もあった。でも、それも『優しさ』だと気付いた…。


「私は…悔しい…かな。」麦の、意外な言葉。
「もっと、最初から真面目に練習とかしていたら…。もしかしたら結果も変わったかも知れないのに…。」
「ごめんなさい…。みんな一生懸命練習したのに、皆の足引っ張っちゃって。」
涙ぐむ麦の頬を引っ張り、からかう理咲。
「い、いひゃいえふ…。」声にならない麦。一瞬で手を離し、真面目な顔になる理咲。
「実はね。勝っても負けても、元から解散させるつもりだったんだよ。」
「え?」「だって、ウチらもう卒業でしょ?二人に後を押し付けるのも、嫌だしね。」
「まぁ、『勝ってから解散』の方が、カッコいいかなぁーってぐらいなもんだよねぇ?」
「しっかり負けた訳だけどな。」と、たかし。
「私は…麦が…いてくれた…から…こそ、良かったと・思って…る。」――野乃の言葉に、涙ぐむ麦。
「先輩。私も…ここに入れて、良かったです…。」

「良かったね、麦…。いい仲間が出来て…。」部室の入口で、涙ぐむ佳代。
そっと部室の前から抜け出し、階段を駆け上がる佳代。ちとせとぶつかる。
そのまま、立ち去る佳代。
「桂木センパーぁ…ぃ…。」部室から出た麦たちを見て、物陰に隠れるちとせ。

「じゃあ、はがすから。」演劇研究会の表札をはがす、たかし。
「はい。野乃さん…。」はがされた表札を見つめる、野乃。そして…。
「これで…研究会を…解散…しま…す。お疲れ…さま…でした…。」
かすれた声で、演劇研究会の解散を宣言する野乃。物陰のちとせは、蹲り涙ぐむ。

『それは、ひとひらの夢でした。けど、私は…この日を、決して忘れない…。
さよなら…演劇研究会…。』


麦たちの頑張りは、勝利の実を結びませんでした。
でもこの半年間は、麦の生き方を変えてくれたのだと思います。
暫くは辛いけどこの経験が、これからの麦の人生を楽しく彩る糧になると思います。

次回『ずっと…一緒…』
ひとつの季節が過ぎ、そして…。

※油断していたら、また2週遅れ。もう最終回なのに。何とかしよう…。
では!


































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レビュー・評価:ひとひら/第9幕「この日を忘れない!」

品質評価 44 / 萌え評価 16 / 燃え評価 16 / ギャグ評価 3 / シリアス評価 26 / お色気評価 5 / 総合評価 18レビュー数 90 件 ついに演劇研究会の舞台の幕が上がる。最初は緊張して声の出ない麦だが、野乃が声帯麻痺により舞台上で声が出せなくなってしまったことをきっかけ
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